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不用な弾はどうする?日本火薬銃砲商組合連合会(日火連)の取り組み

「銃の所持をやめた」「古くて使用できない…」いろいろな理由で使わなくなった弾。保管法は知ってるけど、処分のやり方は?「 知らない」ではすまされない不用実包等廃棄の方法を確認しておこう。

 

使わなくなった弾を廃棄処理するには…

 銃砲の弾や火薬類の譲渡や廃棄に関しては、その保管と同様、法律(火薬類取締法)で規制されており、無闇に他の人に譲ったり捨てたりできないことはご存じだろう。もちろん、処分するには法律上の手続きが必要となる。「狩猟の対象や競技の種目を変えた」「銃を手放した」「弾の保管が長期に及び古くなった」「自宅や倉庫などから銃砲の弾や火薬が出てきた」など、さまざまな理由で処分が必要となった弾薬類…これを不用実包等(空包、雷管も含む)と呼んでいる。これらの不用実包等は、都道府県の廃棄許可を得て認定処分業者が廃棄処理を行うが、その際、不用実包等の所持者や処分依頼を受けた販売店と処分業者の間に入り、その処理が正しく円滑に行われるよう制御している機関が日火連(日本火薬銃砲商組合連合会)だ。日火連とは、各都道府県の銃砲火薬類の販売業者を会員とする一般社団法人で、主に銃砲火薬類の流通に係わる保安と健全な市場の育成を図り、あわせて行政との連携を取りながら、公共の安全、災害の防止、国民の文化的生活に寄与することを目的とした全国組織の団体である。日火連が行う広域認定制度による不用実包等廃棄の流れは下のフローチャート(表1と2)の通りだ。この制度が正しく運用されることで、不用実包等の不法投棄や不正流出による事故等を未然に防ぐことができると言える。

 

毎年行われている経営セミナー。受講者のスキルアップのため、火薬類取締法・銃砲刀剣類所持等取締法などの関連法令をはじめ幅広いテーマのディスカッションを主な内容として実施される。 射撃振興事業の一環として、全日本指定射撃場協会主催の射撃大会や九州地区火薬銃砲小売商組合連合会主催の九連杯等に協賛している。

 

会長インタビュー多岐にわたる日火連の活動

Q.銃砲火薬業界における日火連の役割とは、具体的にはどのようなものですか?

 A.銃や火薬の販売を管轄する経済産業省のほか、警察庁もそうですが、いわゆる中央との意見調整をするのが日火連の大切な役目です。会員である各組合の方々からの行政に対する交渉や要求などを“国にぶつける”と言いましょうか、それが我々の仕事ですね。また、日火連が関係する規則とか法令は実に数多くあるんですが、例えば法改正などの内容をいち早く会員の皆様に伝えることも重要な仕事のひとつです。営業活動に大きく影響する中央の動きなどもよく分かるので、それも会員さんにとって大きなメリット…ということになりますね。

 Q.「不用実包等廃棄」に関してですが、どのような経緯で現在のようなシステムが確立されたのでしょう?

 A.実は、以前は使わなくなった弾は所持者が管轄の警察署に持って行ってたんです。で、そうやって集まった弾は海上自衛隊に依頼して不発弾などとともに海洋投棄処分してもらってたんですよ。当然これは合法的な方法で、しかるべき海域に適切な処置を施したうえでの廃棄処理です。ところが海洋汚染防止に関する条約(ロンドン条約1996年議定書)の締結によって平成19年(1997年)4月1日から海洋投棄ができなくなり、警察も預かることができなくなってしまったわけです。ただ、この議定書締結は想定されていたことなので、発効する5年ほど前から警察庁と日火連で対策を練ってはいたんです。環境省の推進する広域認定制度を不用実包等廃棄に効果的に活用するには、火薬類取締法の規定が障害になるため、同法を所管する経済産業省に相談して「日火連が委託という形で処分する」という解釈を認めてもらい、現在のシステムが確立されたんです。おかげさまで、それ以前はときどき聞かれた不法投棄事件がほとんどなくなりましたね。

 Q.その他の活動としては、どのようなものがありますか?

 A.毎年行っている講習会としては、例えば火薬銃砲販売業者を対象とした経営セミナーがあります。毎年全国から30名くらいの参加がありますね。あと、火薬類流通保安対策事業の一環としての講習会もやってます。これらのセミナーや講習会では、先ほどの広域認定制度による不用実包等廃棄はもちろん、火薬類取締法、銃砲刀剣類所持等取締法、そしてそれらに関連する法令および保安管理技術などの普及、指導を行ってます。こうした講習会などでも強く感じるのが、参加者の皆さんの意識レベルの高さなんです。先ほどの不用実包等の不法投棄が激減したお話などでもそうですが、銃砲店経営者の意識の高さや日常的な(啓蒙活動などの)努力がエンドユーザーにも浸透していることを痛感します。

 以上、今回は広域認定制度による不用実包等廃棄の話題を中心に、日火連の取り組みについてお伝えした。銃砲や弾の管理はシューターにとって重要なことだが、意外にその詳細は知られていない部分も少なくない。ネット等からの情報取得も有効だが、信頼のおける銃砲店とのお付き合いが重要なのだ。