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■吉備高原リゾートホテル「町の名物になれば」

 

害獣として駆除されたイノシシの廃棄される骨を有効活用したラーメンが3月から、岡山県吉備中央町で売り出される。

 

豚骨ならぬシシ骨を煮込んだスープを、同町の「吉備高原リゾートホテル」が開発。食べた人が「へぇ」と驚く味になったとして「へぇラーメン」と名付け、町を訪れる人の増加に貢献したいと意気込んでいる。

 

面積の大部分を山林が占める同町では、昨年のイノシシによる農作物被害額が約660万円。年間約970頭が駆除された。近年は食肉加工品やジビエ料理として活用されるほか、革製品などにも加工されている。

 

イノシシ骨スープの開発は、「庶民の外食の王座ともいえるラーメンに活用したい。それも、これまで廃棄されていた骨からダシをとればインパクトが強い」との同ホテルの芝村啓三社長の思いからスタート。県の「おかやまジビエ利用促進事業」の助成も得た。研究を重ねた結果、香味などは加えず、イノシシの骨と地元産野菜のみのシンプルなスープに仕上げた。

 

関係者向けの試食会が20日に開かれ、しょうゆ味と塩味、洋風トマトスープ味の3種類を披露。多くの参加者が「想定外のあっさり味」と評価した。めんにも地元産の米粉を使う方向が示された。

 

来月12日から同ホテルのメニューに加わり、20日からは「道の駅 かよう」でも提供される。同ホテルは「へぇラーメン」が町の名物になればと、希望する店にはスープの提供などを約束。“協賛店”を募っており、今のところ2店が準備を進めているという。

 

<産経ニュース>