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Caesar / シーザー
誕生からわずか十年にしてイタリアを代表するショットガンメーカー
“サラブレッドの一族はサラブレッド”それを証明するのがシーザー・ゲリーニだ。設立から僅か十年で、イタリアを代表するショットガンメーカーとしてその名を知らしめる存在となった。リッチーニとの縁も深いシーザー・ゲリーニは、研究を怠らない製品開発で知られる。後発組ゆえのマイナス部分をプラスに転じての思考が強みとなっている。欧米では充分すぎる評価を得ているだけに、日本での活躍シーンを目にするのも時間の問題だろう。シーザー・ゲリーニは、2002年、アントニオ・ゲリーニとジョルジョ・ゲリーニの二人が中心となって興したメーカーである。設立から10年という短い歴史ではあるが、この兄弟はバティスタ・リッチーニの甥に当たる‥‥と知れば、同社が並みのメーカーでないことは想像しやすい。リッチーニと同じくイタリアはブレーシャに拠点を持つ。
ジョルジョ・ゲリーニは過去SIGアームズに勤務していた経歴を持ち、そこからシーザー・ゲリーニ創業時からアメリカ市場を有望視していた。上下二連銃のほとんどがヨーロッパ製、それもイタリア製であったことから、成功を狙いやすいという判断であった。実際、シーザー・ゲリーニはアメリカで成功を収めることで、スタートまもなく地位を確立することができたのだ。
その勢いを駆り、イタリアのショットガンメーカーのファバルムをグループ傘下に収めるや、イタリア第二のショットガンメーカーへと上り詰めたのである。そんなシーザー・ゲリーニであるが、これまで日本への輸入は思いの外少ない。実力も欧米での名声も高いが、2002年創業と歴史が浅く、日本国内での知名度不足も影響していると思われる。
射撃銃、ハンティング銃の両方が製品ラインナップにあり、セミオートマチックショットガンも見られるが、日本への輸入は射撃専用銃のサミットシリーズになるという。
サミットシリーズの中で目を引くサミット・ブラックインパクト・トラップは、新機能を盛り込んだ製品として知られている。銃身の上部に設けられたセミハイリブは、自然なフォームでの射撃を行いながらリコイルをマイルドにすることがメリットとなり、アルミ合金製で軽量なためにトップヘビーにならず、ガンの取り回しも容易である。高さ調整も可能で、同様にベント・キャストも調整可能となっている。射撃に関してもっとも重要なトリガー位置も前後にスライド可能で、安定した射撃を得やすい。
オプションでは、木製コムをソフトラバー製に交換でき、それにより、頬に受ける衝撃を、より小さくすることが可能となっている。このラバーコムはノーインパクトコムと呼ばれているが、その名に恥じない機能性を発揮してくれる。
ストック内に位置するキネティックバランサーは、バランス調整の働きを持っている。このガンを入手した射手ごとに行えるので、カスタムガン並みのメリットを持ち、その日の体調に合せて何度も再調整可能な点がすばらしい。調整そのものを要らないと考える射手や、煩わしいと捕らえる射手も居るだろうが、機能として盛り込まれている点は高く評価してよいはずである。
インパクトモデルでは、チェンバーより5インチの部分がデューコーン・フォーシングコーンと呼ばれる一次チョーク機能があり、その先がマクシズボアと呼ばれる、通常の12ゲージショットガンボアよりもやや太い内径となっている。この組み合わせによって、初速を充分に高めながらもリコイルを抑えることに成功している。また、マクシズチョークと呼ばれる14cmの長いチョークによって、最適なパターンを得られるのだ。
なお上記のシステムではなく、ノーマルの仕様でのショットガンを求めるファンにはサミット・トラップがお薦めだ。
機関部の底に見られる刻印の中にSUMMITの文字が読める。これは一般的なショットガンの仕様のサミット・トラップだ。 | スタンダード仕様となるサミット・トラップだが、イタリアらしいデザイン性がにじみ出ている。 |
充分な初速を与えながらリコイルを抑えるためのデューコーン・フォーシングコーンとマクシズボアを開発。 | 見た目の派手さに反しアルミ合金製で軽量なセミハイリブ。高さ調整も可能でクレーを捕らえやすい。 |