立教大学体育会射撃部主将インタビュー

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インタビューに答えてくれた、立教大学の塚本さん

 

銃業界の裾野を広げるべく若きシューターに焦点を当て、銃に情熱を燃やしている若者にインタビューを行った。今回取材に応じてくれたのは、立教大学体育会射撃部の3年生で第51代主将を務める塚本さん。彼女をサポートしている東京・御徒町にあるサカイ銃砲店の坂井さんと話を聞き、彼女の人物像に迫ってみた。

 

(記者)女性シューターは珍しいと思いますが、先ずは銃を始めたきっかけなどをお聞かせください。

 

(塚本)高校まで水泳と演劇をしていました。特に演劇は10年以上続けていたのですが、大学では新しい事を始めたいと思いライフル射撃を選びました。両親はビックリしていましたが、反対しなかったです。というより、事後報告でしたが(笑)

選んだ理由は「カッコイイ」からという単純なものですが、やるからには上手になりたいので、人に聞いたり調べ事をしたりして貪欲に知識を深めました。それらを全て試してみて自分にあった物だけを取り入れて、自分だけの練習方法を確立しました。

 

(記)大会で優秀な成績を収めていると聞きますが?

 

(塚)SB(スモールボアライフル)だと3姿勢で561点、伏射で580点。エアライフルだと381点です。

 

(坂井)SBは50m離れた的を3姿勢(伏射、立射、膝射)で20発ずつ合計60発撃ちます。エアライフルは10m離れた的を立射で40発撃ちます。エアライフルで360点も撃てば上手な方ですので、彼女がいかに優れているか解ると思います。彼女は銃を始めた時から好成績を収めるポイントを理解していましたし、メンタル面でも強いものを持っています。また、射撃競技は体格に影響しないので、その事も結果に繋がったのだと思います。

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伏  射

 

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膝  射

 

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立  射

 

(塚)「常に同じ動きをする」「ルールを守る」、この二つにいつも気を付けています。本番に向けて同じ練習を繰り返すという点では射撃と演劇は共通しているので、その時の経験も活かされていると思います。本番で失敗する訳にはいきませんから…

私は食べ物を消化するのが早いみたいで、すぐにお腹が空いてしまい1時間半も持ちません。競技中にお腹が鳴って集中出来なかった時があったので、どうすれば試合中に鳴らさずに済むかを色々な人に聞いたりした事もありました。(笑)今は競技前に必ず食事を摂るようにして、空腹をコントロールしています。

 

(記)その努力が結果に繋がったのですね。問題点をクリアして好成績を収めた時は、さぞ嬉しかったでしょう?

 

(塚)嬉しいとは思いますが、その状態をどうすれば維持出来るのかという気持ちの方が強いです。満点ではないので、たとえ成績が良くても「なんで当らなかったんだろう」って考えます。実は射撃を始めてから「嬉しい」とか「楽しい」とか思った事がないんです。成績や試合の勝ち負けは重要ですが、常に自分との闘いなんです。良い結果も悪い結果も原因は自分自身にあり、それが団体戦での結果にも結び付きます。

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(記)かなりストイックですね。そんなに射撃漬けの日々を送っていて、時には友達と遊びたいと思いませんか?

 

(塚)もちろん遊びたいです。同じ学科の友達から「こないだ○○行って来たんだよ」って写真を見せられると、とっても羨ましいです。私には部活があるので…引退したら遊びに行けばいいと思っていますが、たぶん練習してるんだろうなとも思います。(笑)

 

(記)塚本さんが練習している姿が想像出来ます。続いては、射撃部についてもお話をお聞かせ下さい。塚本さんは51代の主将という事ですが、歴代主将は女性が多いのですか?

 

(塚)4年生が引退してしまい、今は19名在籍しています。男性の比率が多くて、歴代主将も男性の方が多いです。練習は週一回の合同練習のみで、あとは自主練習しています。場所は大学の練習場だったり、長瀞(埼玉県)や伊勢原(神奈川県)の射撃場にも行ったりします。私は大学の近所に住んでいるので、銃を背負って自転車で大学まで通っていました。現在私はSBがメインなので、電車や部員の自動車に乗せてもらって長瀞や伊勢原まで行っています。

 

 

(記)交通費がかかって大変ですね。

 

(塚)そうなんです。射撃はお金のかかるスポーツなので、アルバイトをして費用を工面しています。

 

(記)射撃部で射撃を始め、そして主将を任された事で、何か変わりましたか?

 

(塚)大学はサークル活動に入って楽しく過ごす所だろうと思っていたので、体育会系に入った自分に今でも驚いています。体育会系は規律に厳しいので、上下関係や礼儀作法を学びました。主将になって間もないのですが、客観的に人を見る事で指導能力が身について来ました。人に教える事で自分も上達しているとも実感しています。今の自分に欠けている部分が判って来たので、春に向けて一からやり直すつもりです。

 

(記)最後になりますが、今後についてお聞かせ下さい。多くの部員は入部時に銃の免許を取得するものの、卒業後は辞めてしまうと聞いています。塚本さんは卒業してからも続けますか?

 

(塚)もちろん続けます。私は大学から銃を始めましたが、社会人になれば色々な人からアドバイスを聞けるので、もっと上達出来ると思っています。現在就職活動中なのですが、銃を続けられる前提で活動しています。

卒業後に辞めてしまう学生が多い事について、私も問題だと思っています。卒業後もOGとして部の活動に関わって、後輩達が続けられるようサポートする事を考えています。

 

(記)今日はありがとうございました。次回は練習風景を見せていただきたいと思いますので、宜しくお願いします。

 

(塚)お待ちしています。

 

世間話をしている姿はあどけない笑顔の若者だが、銃の話になると人を圧倒するほどの目力がある。一番遊びたい盛りなのに、銃一色である今の状況に満足しているようだ。

部活動で上下関係や武道にも通ずる礼儀作法などを学び、常に自分を高める努力を欠かさない。ただの練習の虫ではなく、効率良く自分を高めるためのロジックも身につけているので、その分上達が早い。

まだまだ伸び代があるだけに、2020年開催の東京オリンピックに彼女の名前があるかもしれない。

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取材協力:サカイ銃砲店

店舗紹介ページ

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取材協力:神奈川県立伊勢原射撃場

公式HP