Emilio Rizzini / エミリオ リッチーニ

北イタリアのブレーシャ市郊外にワークショップ「V.I.T.」が開業したのは、1965年頃だという。繊細且つ入念な職人技術は、瞬く間に評判を呼び、信頼と顧客を獲得した。

その小さなワークショップのオーナーが、ファスティ・ステファノとパートナーであり、ステファノこそが現社長ジョバンナの父であった。このワークショップが、後のエミリオ・リッチーニ社の礎となったことは述べるまでも無い周知の事実だ。

エミリオ・リッチーニが表舞台に登場するのは1974年。シリーズに彼の名前を冠した「エミリオ・リッチーニ・シリーズ」発売によってである。

1980年代に、現社長ジョバンナが経営に加わったことを機に会社は拡大していく。この頃には、2,500平方メートルの工場を建設し、ジョバンナの姉妹であるエレナとバーバラも経営に参加した。1990年代には、CNCなどの先端機器も積極的に導入する。それだけに留まらず、最終仕上げは熟練工による手作業とすることで話題になった。最新技術と職人の持つ熟練の技術の融合は、成功を収めた。話題作りのみならず、高品質と生産性を高めることに成功したのだ。

代名詞ともなっているロックシステムでは、銃身と機関部の結合でフォーロックと呼ばれるシステムを採用している。これは多重ロックの中でも、特に強く頑丈だと言われるシステムで、もちろん特許が取得されている。さらに、安全機構として、銃が完全に閉じられるまで撃鉄が落ちないようにするリッチーニディスコネクトセフティシステムが組み込まれ、より高い安全性と信頼性を持たせることに成功している。切れのよさで定評のあるトリガーはリッチーニシングルトリガーシステムと呼ばれ、銃器工学技術に与えた影響は少なくない。これは、オーバートラベルの調整が可能で信頼性も高く、射手に安心感を与えてくれる機構でもある。

ターゲットモデルではさらにスライド調整可能なトリガーを装備し、あらゆる射手に対して万全を期している。エジェクターもまたリッチーニのオリジナルだ。可動の先台レバーがエジェクターのリリースタイミングを合わせるようになっており、優れた方式である。

ここに紹介するマグニフィセントは、ビクトリア・アラータ(翼の生えた女神像)をポイントとしてデザインされた、手の込んだ美しい仕上げが最大の特徴となっている。高品質な製品の魅力を高めるにふさわしい。それを低価格に抑えたモデルであり、人気を博している。トラップモデル、スキートモデルの両方が用意されている。

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滑るように作動する各パーツの感触から、銃の持つ品位も伝わる。射撃の道具としてはもちろん、所持する喜びを与えてくれる。 彫刻の美しさからはイタリアらしい芸術性を感じられる。モチーフとなっているのは翼を持った女神、ビクトリア・アラータ。
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一体感を持ち、機関部の全面に施された刻印は高級感も高めてくれる。世界に名を轟かせるエミリオリッチーニの紋章が誇らしげだ。 もっとも重要なパーツとなるのが銃身である。熟練工の技と最新の技術の融合が、類を見ない品質と機能性を生み出す。